ふるさとかかしへの想い



 徳島県東祖谷の最奥の集落で、この案山子に出会ったのは平成16年秋
 のこと。
 当時、徳島県に単身赴任していた私は休日は県内の山里巡りを楽しみ
 としていました。  祖谷の山里で車窓に 「野良仕事をしている人が・・・」
 と思ったのがこの案山子でした。
 度々この地を訪れるうちに製作者の綾野月美さんと親しくなり、東祖谷
 の住民有志と「徳島かかしの里」の立ち上げに係わりました。
 その後、平成20年に鳥取県に転勤し、県東部を走る若桜鉄道にかかしを
 設置する機会を得て自らも製作を始めました。
 今は、郷里の兵庫県姫路市安富町の「奥播磨かかしの里」などに設置を
 進めています。

 現在、私が設置している「奥播磨かかしの里」の案山子は昔懐かしい
  「ふるさと」 を思い起こさせる姿・形であることにこだわっており、
 有名人に似せたもの、アニメキャラクターなどの案山子はそのイメージ
 に合わないため設置しておりません。
 また、「案山子コンクール」などにも出品しておりません。
 設置場所についても、単に案山子を見てもらうのではなく、案山子
 のいる風景を見てもらうよう「案山子と風景の一体化」に心がけて
 います。


 日本の原風景が残る山里と、そこにたたずむ案山子たちに、皆様が
 ふるさとへの郷愁を感じ、心を癒していただければ幸いです。

                平成22年3月    岡上 正人



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